膝関節の疾患は、外傷によるもの、炎症によるもの、腫瘍によるものなど様々ですが、激しい痛みを生じさせる一般的な疾患には次のようなものがあります。

膝関節は、毎日体重の負担を受けながら動かしているため、軟骨が徐々に擦り減ってきますが、若い間は再生されます。しかし、加齢や筋力の低下、肥満などによって軟骨の再生が追いつかなくなると、軟骨の下の骨も擦り減るようになります。 そのため、膝関節の機能が低下して、膝軟骨や半月板のかみ合わせが緩んだり変形や断裂を起こし、生じた炎症から痛みを出すのが変形性膝関節症です。 日本人の場合、すねの骨が内側に弯曲しているので、体重が内側にかかり、内側の軟骨ばかりが擦り減ります。そのためO脚になることが多いのが特徴です。

指や手の関節、肘、膝などの足関節、更には脊椎の関節など、全身の関節が炎症を起こす疾患が関節リウマチです。初期の症状は関節炎に伴う腫れと痛みが多く見られますが、進行していくと関節の軟骨やその下の骨が破壊され、関節の脱臼や変形につながります。 リウマチが膝関節で進行すると、膝が伸びなくなったり、変形と痛みのために歩けなくなったりします。

程度が軽い場合は、関節疾患の場合でも投薬や理学運動療法といった保存的療法で症状を和らげることができます。ただし、痛みが引かない場合や、間接の変形で歩くことが困難な場合、また関節リウマチが進行した場合には、人工膝関節置換術などの手術療法が必要になります。